【完】キミと生きた証

「はい・・・はい。へぇ・・・。」

「うん。そっか。あははっ。ちょっと安心した。」


電話をしてる仁奈子の口調が、だんだん穏やかになってきた。



身辺調査をされるとは思っても見なかったけど。



ちぃに会えるならいくらでもする。



「ありがと。電話終わった。」


「そ。で、情報は集まったか？」


「うん。見た目で誤解してた。ごめんなさい。」



携帯をポケットにしまうと、仁菜子は俺の向かいに立ちはだかった。



「初恋なんでしょ？」


「・・・うるせぇ。」


「ちゃらくないんでしょ？」


「そう見えるか？」


「見える。」


「ちげえよ。」


「・・・よかっ、た。」



仁奈子の声が涙声に変わった。