【完】キミと生きた証
「お願いがある。」


仁菜子は真っ赤な目で、鼻をすすりながら俺の目を見つめた。


「ちーちゃんの・・・っ希望になって・・・。」


震える涙声。


俺が戸惑ってると、仁菜子が叫んだ。


「できるの!?できないの!?」



「いや、お前まじで意味わかんねぇけど。ちぃがしてほしいことなら・・・・する。」



「・・・安心した。」



そして仁奈子は俺に深々と頭を下げた。



「お願い・・・約束だからね。」



俺が返事をすると、仁奈子は頭をあげて、待合の扉に手をかける。



「それと、私がここにきたこと、ちーちゃんには内緒にしておいてほしい。」



そういって待合室を出て行った。




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