【完】キミと生きた証
「・・・んむっ。」
あたしはいつのまにか瞬の腕の中にいた。
大きくて硬い胸。
ぎゅっと抱きしめられて、どくんどくんとおっきい音がする。
「・・・お前さ。・・・・可愛すぎる。」
優しくて低い声が体を伝って響いてくる。
「・・・あはっ。」
あたしはドキドキしすぎて、おかしくなりそうだった。
でも、ずっとこうしていたくて。
ずっと、一番近くにいたくて。
あたしは瞬の体に手を回して、ぎゅっと抱きしめた。
「・・・好き。大好き。」
あたしが思ったことそのまんま表現するとね。
「・・・うん。」
口下手な瞬は、抱きしめる腕にぎゅっと力を入れるだけ。
だと、思ってたのに。
数十秒の沈黙の後に、
「・・・・俺も。ちとせのこと・・・めちゃくちゃ好きだ。」
ちっちゃい声でそういうと、バッとあたしを引き離した。
ふんわりとしたソファの背に、体が預けられる。
あーあ、せっかく、やっと抱きしめられるのに慣れてきたところだったのにな・・・。
あたしは自分の真っ赤な顔を、両手でぱたぱた仰いだ。
瞬を見上げたら、同じく真っ赤な顔してる。
すぐに顔をそらして、
「・・・ちっ」
って舌打ち。