【完】キミと生きた証
6月の終わり。


検査が終わって3日目。


案の定、体が弱っちゃって、そのまますこしだけ入院だって。


「そうか・・・地獄だったか。」


カテーテル検査後の一日を話したら、お見舞いに来てくれた瞬が同情してくれた。



そして、ようやく思うように動けるようになったから、


あたしは瞬に両手を伸ばした。



「ご褒美・・・くれる?」



「・・・ははっ。かわい。」



瞬がベッドの方に来て、ぎゅっと抱きしめてくれた。


どきどきとすっごいスピードで心臓の音が聞こえる。


一瞬、離れようとしたから、手でぎゅっとだきしめた。



「もうちょっと・・・。」


「わかった。しんどくないか?」


「・・・全然。し・・幸、せ。」



幸せすぎて、伝わんないよ。


涙がでるほど幸せって言ったら、


瞬にもわかるかな?



「泣くな。」


「大好き・・なん、だもん・・・。」


「・・・幸せなときは笑って。」



瞬の腕の中で頷いたら、体が離れた。



あたしの涙を瞬の指が拭う。


その手は頬にそえられて、



唇が重なった。



・・・久しぶりのキス・・長い。



”幸せなときは笑って”って、瞬のお願いだから。


泣いちゃダメ。


時間、止まって。


なんて考えちゃダメ。



そっと、唇が離れた。


あたしの目からは結局涙がこぼれちゃったけど。



にーっと口角をあげて



「ありがとう。大好き・・・っ」



「俺も。大好きだ。ちとせ。」



何本もの点滴。高そうな機械。


もう慣れて感じなくなった消毒の匂い。



でも、こんな中に、一筋の光。



大好きな瞬が傍に居てくれる。




幸せすぎて


切なくなる。





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