【完】キミと生きた証
瞬とゆっくり、廊下を歩いてく。


たまにピンクの手すりに寄りかかって、休憩しては、お喋りして。


「あと5時間で誕生日だな?」


「そうだねー。日付かわるときも一緒に過ごすなんて・・・大人みたい。へへっ」


「・・カワイ。なんだよそれ。」



そうしてまた歩きはじめる。



病棟の廊下の一番端っこまでたどり着いた。



一番奥の部屋はロッカールーム。



瞬が入ったから、あたしもついて行った。



「ココ、初めて入る。」


「たしかに、入院してる側は使わねえよな。」



そう言いながらあたしの太ももらへんを指さした。



「ん?何?」


「ポケット。」


ポケット・・・?


手を入れてみると、硬いものが触れた。



「・・あれ、鍵?」



いつの間にかあたしのポケットには鍵が入ってて、その鍵に番号札がついてる・・5番って。



「なんの鍵でしょう。」



「・・もしかして、このロッカー!?」



「セーカイ。」




にっと笑う瞬。


あたしは5番のロッカーに鍵を入れた。


鍵をがちゃんと回して、その扉を引いた。



「・・何かある!」



小さなピンクの箱がおいてある。



手を伸ばして、取り出した。



まるで宝物みつけたみたい。目を輝かせるあたしをみて、瞬が笑ってる。






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