【完】キミと生きた証
放課後になると、瞬が来た。


マスクしてるあたしをみて「風邪でもひいた?」って心配そうに頭を撫でた。



「ちがうよ。浮腫んで、るから・・隠してる。」


「なんでだよ。それじゃキスもできねえじゃん。」


「だって、あんまり・・見られたくない。」


「あのなぁ・・。」



瞬はベッドに腰をかけた。



「こんなちゃっちーので、可愛い顔隠されたら、たまんねえんだけど。」


って、ひょいっとマスクを外しちゃった。


あたしが俯くと、顎をぐっと上げて、唇を奪われた。



「・・んっ」



唇がゆっくり離れて、すごく近い距離で、瞬が呟く。



「そんな可愛い顔、俺の前で隠すな。」



強い目力、低い声。



「は・・はい。」



あたしは自動的に頷いた。


真っ赤な顔をそのまま俯けて。




瞬が窓をあけると気持ちいい風が入ってきた。


もうすぐ夏がくる。



「・・夏・・お祭り、行きたいなぁ・・。」



空を見上げて呟くと、瞬が頷いた。



「行こ。また、許可もらうから。」



「へへっ。たのしみ。」






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