【完】キミと生きた証
それから1日後。



俺は仁奈子に呼び出された。



完全に目が据わってる。



「なんで、別れたの・・・」


仁奈子は俺の胸ぐらをつかんでいう。



「別れてって・・・、言われたから。」



「なんでそんな馬鹿なことするの!?ちーちゃんの…希望に・・・って、いったじゃん…っ。」



仁奈子はわんわんと泣き始めた。



「あいつが・・・そうしたいって言うんだから、仕方ねえだろ。」



「今こそ、支えてあげるときでしょ!?」



「・・・支えたかったよ。」



でも、ちとせはそんなこと望んでなかった。



俺があいつのこと、愛しすぎるくらい、あいつも俺のこと、好きだった。



・・・どこかで生きてることを信じて、幸せになれって、そう言った。



だったら俺は、それにこたえるしかねえだろ。



「男なら・・別れたくないって、どうしてちゃんと言わないの・・!?ちーちゃんのこと・・・大好きなんでしょ?」



仁奈子は目からぼたぼたと涙をこぼして、七分丈のシャツで拭ってる。




「大好きだから、別れたって言ったら・・・お前に意味わかるか?」



「わかんない。」


「・・・そうかよ。」


「教えてよ・・!」



仁奈子が鼻水をすすって、俺の服を掴んで揺さぶる。



辛い時、傍にいるのが、愛だと思ってた。


でもちとせの愛は、もっともっと大きかった。


俺の人生を守りたがった。


そんなちとせを見てたら、俺もちとせを守りたくなった。


もっと、深く、守ってやりたくなった。



”あたしに、瞬を守らせて”



ちとせの望みがそういうことなら・・・俺に選ぶ道はひとつしかねえだろ。



「傍にいるのが・・・愛情なら・・。離れてやるのも・・愛だろ。」



「わけわかんない。とにかくちーちゃんが退院したら、ちゃんとより戻してよ!」




きっと仁奈子は、状況を聞いてない。


ちとせの移植がどれだけリスキーなのかも、現状も。




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