【完】キミと生きた証
「一気ににぎやかになった・・。」



嬉しくて笑ったら、みんなの手があたしの頭に伸びてくる。


こんな風にポンポンと頭を撫でられると、まるで高校生のときみたい・・・。




気恥ずかしくて俯くと、



「ちーちゃんカワイ!」


ってさらに追い打ち。


「ほんと、ちーちゃんさん可愛いなあー。武石先生の彼女さんってだけありますよねぇー!」


「そういえば聞いたぁ?武石先生、また転移されたって。」


「またー?もうそれ日常茶飯事だよね。」


「あいつやるなぁ・・。俺より人気なんてな。」


「オカダ先生は”逆転移”でしょうがー!」




みんなが盛りあがってるけど、あたしは首をかしげるのみ。



「・・転移ってなんですか?」



「患者さんがお医者さんに恋しちゃうことですよー!」


ってにこにこ顔のサトウさん。



「えぇ・・・!?」



患者さんが、瞬に恋・・・ってこと!?



口をパクパクさせちゃうあたし。



「あはは!大丈夫ですよ!武石先生、さらーっと流してますもん。」


「”じゃーお薬出しておきますからねー、オダイジニー。”だもんね!」


「何それ?武石先生のマネ?!」


「ちょっとサトウさん、それ全然似てないですよー!」



みんなのやり取りが可笑しくて、ぷっと吹き出した。



「あはっ。おかしい・・っ。でも、よかった。瞬、いい職場に巡り合えたんだなぁ…。」



そう呟くと、もう一度、みんなの手が頭の方へとに伸びてきた。


「あ・・・。へへっ。」



照れくさくて笑っちゃうと



「頭押すのやめろ。ちとせの背がそれ以上縮んだらどうすんだよ。」



後ろから聞こえた、低い声。



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