【完】キミと生きた証
今日は学校が早く終わった。
多分瞬はまだこない。


待合室の端っこに座って、単語帳を開いた。


しばらくするとガラガラと扉があいて、


「いた。」



って低い声。



「あれ?学校早く終わったの?」


「いや・・・。学校の外で南高生が歩いてるの見えたから。」


「え?さぼり?」


「まぁ。」


「不良ー。」


「うるせ。」


あたしが笑うと、ちょっとだけ瞬も笑った。



・・・笑ったら可愛い。


そんな可愛い笑顔を見たらどきどきしちゃう。



当たり前みたいに、あたしの隣に腰を掛けてくれた。


1時間後に来る電車を待つの。


どきどき、どきどき、胸がはずんでる。




「今日は4時電で帰れるな。」


4時に来るたった一本の電車を4時電って呼ぶんだけど。


ふふ。


工業高校でも同じ呼び方なんだなぁ。



「いつもより1時間も早いね。」


沈黙が始まって、あたしはふと右側の壁を見つめた。






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