宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
「なぁメグ」

説明の途中で俺は口を挟む。

「さっき言った、呪眼を狙う者…って?」

「言葉のままよ」

メグは少し真面目な表情になった。

「呪眼はさっき説明した通り、破格の性能を持ついわば兵器よ。加えて魔女じゃなくても魔力を持つ者なら魔女とほぼ同様の魔術を使えるようになる。自然と欲する者は多くなるわ」

ついでだからと、メグは魔女と敵対関係にある勢力の説明をしてくれた。

まず代表的なのが『教会』。

15世紀の魔女狩りの頃から、魔女を異端者として敵視してきた勢力だ。

といってもその辺の教会の牧師さんが敵対しているという訳ではなく、主に魔女に仕掛けてくるのは教会の異端者殲滅専門職…通称『祓魔師(エクソシスト)』。

その昔、魔女は悪魔に魂を売った人間とされていた。

その為魔女も自然とエクソシストの殲滅対象となったのだ。

次に魔術師や魔女。

いわゆる同業者だ。

基本的に魔術師や魔女は組んで行動する事はない。

自らの家系の魔術の秘密保持の為だ。

魔術は人に見せるものではないし、見せた以上は相手に何らかの処理を施さなければならない。

魔術の記憶を奪うか、命そのものを奪うか。

その癖、他の魔術師や魔女の魔術はどういうものなのか知りたがる。

特に魔女の目的は魔道の探求だ。

他所の家系がどういう術式体系を持っているのかは興味があるのだろう。

呪眼などは喉から手が出るほど欲するシロモノだ。

自然と他の魔術師や魔女とは敵対する事になる。

そういう意味では俺の左目に呪眼を与え、こうして魔術のイロハを教えてくれているメグは随分とお人好しな魔女という事になりそうだ。

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