宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
土曜日
いよいよメグの魔術講座も終盤にさしかかってきた。

基本的な魔術の行使は昨日までで格好がつくようになったので、今日からは実戦練習となる。

いわゆる『模擬戦闘』だ。

とはいえ、メグとまともに魔術戦闘して俺が勝てる訳がない。

四門邸の地下室で行われるのはハンデ付きの模擬戦闘だ。

メグが行使するのは『障壁』と『強化』の魔術のみ。

メグの方からは一切仕掛けない。

それを俺が『矢』の魔術で攻撃。

メグの障壁を破る事が模擬戦闘の目的だ。

ただの『矢』ならメグの障壁を破る事などできる訳がないのだが、昨日の段階で俺は『矢』の使い分けを多少できるようになった。

ならば設定目標を少し上げてみようという事になったのだ。

「さ、いつでもいいわよ」

メグが俺から数メートル離れた位置に立ち、腕を組む。

特に外見に変化は見受けられないが、既に魔術行使しているのだろう。

「よし、それじゃあ…」

地下室の階段にとまっている長老が合図を出す。

「はじめっ!」

掛け声と共に、俺は半身に構えて右手をメグに向けた。

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