宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
頭の中に拳銃をイメージする。

弾丸を装填して、さあ発射…と思った瞬間。

「!?」

メグの姿は既に目の前にはなかった。

「どこ見てるの?」

背後から声。

振り向くと、メグが長い髪を片手ではねのけている。

「くっ!」

すかさず振り返って矢を撃とうとするが。

「遅い遅い」

彼女は人間離れしたスピードで再び俺の背後に回りこんだ!

まるで野生の動物のような敏捷性。

これが『強化』の魔術で身体能力を向上させた者の動きだった。

メグが使うのは『風』属性の強化魔術。

特にスピードが桁違いに速くなる。

うまく頭の中で拳銃をイメージして魔術発動の準備が出来ても、これ程素早く動かれては狙いを定める事ができない!

「くそっ!」

何とか捕捉し、矢を撃ち放つものの。

「あてずっぽうじゃ当たらないわよ」

残像すら見えそうなほどのメグの高速移動。

矢は彼女にかすめる事すらなく、壁に突き刺さって煙のように消えていった。



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