運命の人

隠し事

あれからもう1時間経った。
ご飯も食べ終わって適当に飲み物を持ってきては取りにいく。
言わなきゃ〜…。
実樹相手にこんなに緊張するのは久々。
わたしの気もしれずに実樹は一人でなにか言っては笑っている。
やっぱ幼なじみって似るのかな?
少し綾野に重なる。
「なんか今日の由梨香変じゃない?」
気づくと机に両肘をついてついてわたしのことを見ていた。
「…え?」
「変!絶対隠してる!」
するどい。
タイミングは今しかない。
「実樹、綾野賢太と宮沢翔って覚えてる!?」
思ったよりずっと大きな声が出てしまった。近くに座っているおばさんに変な目で見られる。
実樹も同様。
びっくりした顔をしてる。
「…覚えてるよ?近所だし…」
そうじゃない!
「わたし、二人と同じ班なの。今朝実樹がわたしのクラスに来た時に二人が実樹のこと知ってて、幼なじみって聞いたの」
実樹は顔が少し白い。
元々、外の部活とは思えないほど真っ白な綺麗な肌だけど…。
「…幼なじみ?なわけ無いじゃん。」
実樹は吐き捨てるようにそういった。
なんでそんな悲しそうな顔するの?
関係ないならそんな顔しなくても大丈夫でしょ?
…なにを隠しているの?
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