運命の人
「そ、それよりさ!」
実樹は話しをはぐらかそうとする。
「由梨香、陸生のこと、どう思ってる?」
なんで陸生?
「実樹…陸生より二人のこと…」
「陸生のこと話そうよ!絶対あいつ由梨香のこと好きだって!」
さっきまで真っ白だった実樹の顔が真っ赤になっている。
「なんでそう思うの?」
「だって、陸生いつも由梨香のこと見てる。最近上の空だし?」
そう言って実樹はグラスの氷をカラカラとストローでかき回す。
実樹が寂しそうな顔をしているように見えるのは気のせいだろうか?
「考え過ぎでしょ」
わたしはそういうが実樹は引かない。
どうしてこうも陸生を?
「…鈍感にもほどがあるでしょ〜気づいてあげなよ、陸生可哀想」
「そう思うなら実樹が陸生と付き合えばいいのに」
わたしはからかうようにそう言った。
しかし、わたしの想像と違う実樹がいた。
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