佐々倉のカノジョ。
交錯する気持ち
「ただいま~っ」
ふぅ~…、話しすぎてもうこんな時間。
家に帰って時計を見ると、5時14分。
この時間なら茜も大空もいるはずなのに、家の中はしーんと静まりかえっている。
「そらー、あかねー?」
やっぱり返事がない。
どうしたんだろ?まだ遊んでるのかな。
「まさか…誘拐!?」
ど、どうしよ!?
とりあえず、外を見てから……!
そう思ってドアを思いっきり開けて、外に出……
ゴンッッ
「ってぇ~~~!!!?」
「!?」
す、すごい鈍い音がした…。
恐る恐る扉の向こう側を見ると。
「あ、らしくん?」
右肩に軽々と茜をのせ、そこに立っているのは、紛れもなく嵐くん。
おでこにキズが……って、
「私のせいだ!」
「なんだよ、イキナリ叫ぶな。あー、いてー、なんで勢いよく開けるかな」
「ご、ごめんなさい、今絆創膏をっ」
「いや、とりあえず、茜を家ん中いれろよ」
「あ、そ、そっか!」
え?というか、どういうこと?
なんで嵐くんが茜と?
んんん??
なんでウチにいるの?
「えへへー、あらしがいっぱい遊んでくれたの~っ」
肩から降ろしてもらった茜は、嵐くんの足に抱きついて嬉しそうにしている。
「えと、嵐くん、どういうこと?」
「なんかばったり大空と茜に会って、大空に押し付けられた」
「もぉ、大空ったら~…」
どうせまた友達とサッカーでもしに行ってるんだ。
後で怒っとかなきゃ…。