佐々倉のカノジョ。


パタン。

茜がリビングから出ていってしまった。

な、なんでこの状況で二人になるの嵐くん!

「と、とりあえず、絆創膏貼るよ!ここ座って?」

「いいっつーのに」


そう言いながらもソファーに腰を下ろす嵐くん。

心臓の音が悟られないように、わざと話題を振ってみるけど。

集中できない。

「わ、すごい赤くなっちゃってる…、ごめんね…」

でも、ほんとに痛そう…。

うーん、絆創膏よりガーゼとかの方がいいかなぁ。


「なんでもいいけど、お前顔近くね?」

「ひゃっっ!?」


傷を見るのに集中しすぎた!

しかもいつのまにか、座った嵐くんの脚の間に座ってたし!

もぉ、落ち着いて私!!


「ごめん、今どく…、え、んっ……?」

突然首を持たれて、ぐっと引き寄せられたかと思ったら、


「あ、…」



唇が、触れてた。

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