恋をしようよ、愛し合おうぜ!
2月初め、私はバリ島ツアーに行ってきた。
これは、恭子さんとのコラボセミナーで一緒に講師を務めた、塩見瑞樹さんと知り合ったのがきっかけで生まれた企画だ。

ビューティーライフを提唱する瑞樹さんと私は、誕生日が同じ1月5日(年齢は瑞樹さんの方が上)、性格も、お仕事スタイルも似ているせいか、初めて出会ったときから意気投合して、これまでも何度かコラボセミナーをしている。
そのとき、「いつかビューティーツアーをしたいね」という話が持ち上がり、少しずつ打ち合わせを重ねて、「バリ島・ビューティーツアー」が実現したというわけだ。

私は企画した側として、参加者さんの引率をしたり、宿泊しているシェリダンのバリリゾートヴィラで、瑞樹さんと二人で、参加者さんにビューティーライフついてのお話しをした。

このとき、サプライズゲストとして、瑞樹さんのだんなさんに登場してもらった。
このことは瑞樹さんにも内緒にしていたこともあって、瑞樹さんの驚きようはハンパなかったけど、同時にすごく嬉しそうだった。

というわけで、途中から、シェリダンホテルの日本支社長をしている瑞樹さんのだんなさんの塩見社長も交えて、3人でビューティーライフについてのお話しを始めた。


「・・・だからね、魅力を高めるのも貶めるのも、結局自分自身の意識次第だと思うんです」
「なつきちゃん良いこと言った!今のなつきちゃんの発言は、すごく大事だと思うので、メモ書きしてしっかり心に焼きつけてくださいねー」と瑞樹さんが言うと、参加者のみなさんは「はーい!」と元気よく返事をしてくれた。

こういう一体感は、私だけじゃなく、ここにいるみなさんのモチベーションをアップしてくれる。

「なつきちゃん。やっぱりうちの会社来なよ」
「友也(ともや)くん、またなつきちゃんをヘッドハントしてる」と瑞樹さんが言うと、参加者のみなさんから笑いがドッと湧いた。

さらに私が「すみません。朝弱いので、またお断りさせていただきます」と言うと、ますます笑いが広がった。

「フレックスタイムでいいからさー」
「じゃあ瑞樹さんみたいに、シェリダンホテルさんとコラボで企画とかイベントをさせてください。私、英語の通訳もできますよ」
「知ってる。だから他の企業にとられる前に、余計ほしいんだけどなぁ」
「いやいや。私はどこにも属しませんから」

仕事ができる大企業の社長さんから「うちで働いてほしい」と言われたのは、自分の仕事の能力を認めてもらったみたいで、正直すごく嬉しい。
だけど今は、企業の大きさに関わらず、どこの会社にも属するつもりはない。
その分自分の可能性が、狭められるような気がするから。
それに、時間や日にちは不規則だけど、同じ志を持った人たちと協力して、一つの物事を作り上げている今の仕事スタイルは、とても楽しいし、気に入っている。
だから私と同じお仕事スタイルの瑞樹さんも、社長からのスカウトを、何度も断っているらしいし。

とにかく、そこから「魅力がある人とは」とか「モテる人とは」という話題に、自然と移っていた。

「仕事ができる人はモテる」
「あ、私だ」とわざと私がおどけて言うと、また参加者さんからドッと笑いが起こった。

「いやホントに。ヘッドハントされるほど仕事がデキる人は、性別に関係なく魅力がある。そして魅力がある人はモテる。魅力ってのは、仕事上必要なスキルを磨くことじゃない。この人と仕事したいと相手に思わせる、それが“魅力”。言い換えれば相手に好感を持たれること。これがないと仕事がデキる人とは言えない」
「好感を持たれやすい人には、人が寄ってくるっていうか、人気があるよね。逆に一人でいても、つい目で追っちゃうような存在感があるし。そういうのは、“私はこれができます!”って特別なスキルがなくても、日々の心がけで身につくもの。逆にそういう人に好かれたい、そういう男を彼にしたい、夫にしたいと思うなら、まずは自分からそういう“イイ女”にならなきゃ」と瑞樹さんが言いきると、参加者のみなさんは、頷きながら拍手喝采した。

「瑞樹さん、今すっごくいいこと言った!結局、とびきり極上の相手といい恋愛をしたければ、自分がその相手に相応しいか、ですね」
「そのとおり。この世界にはバランスってのがあるから、お互い似たような価値観とか趣味とか持った人たちが惹かれあうってのが鉄則なわけ。それは仕事も恋愛も同じ。今つきあってる彼やだんながいる方」と社長が言うと、20名の参加者(全員女性)のうち、約半分の方が手を上げてくれた。

「相手のことを慈しんで敬っていれば、相手もあなたのことをそう思ってる。彼は浮気性だ、だんなは甲斐性がない、なんて思ってる人。それはあなたの心の中にある不満や不安が相手を通してあなたに見せているだけ。つまり今の自分が立ってる位置はその段階だってこと。段階上げたきゃ、自分の考え方を変えていくこと。それがライフステージを上げる方法です。俺は実際そうやってきたから、瑞樹という最高の伴侶に出会えました」

塩見社長と瑞樹さんは、離婚経験者同士だ。
お二人が再婚に至るまで、たぶん私よりもドラマチックな経緯を経ていると思う。
まさに、人の数だけ恋愛の数が存在するんだなぁと、その話を聞いたとき、しみじみ思った。

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