下僕お断り!

「ふらっと現れては上位に立って、そのくせつまらなさそうに『こんなこともできないの?』って笑う。優しさとか、思いやりとかが欠けてんだ」


話声が聞こえた。
ピンクの髪の声のやつ。



ああ、俺のことか。

一発で分かった。



「どうせ人生全部青信号だろ。努力のどの字も知らないで、えらそうなこと言うなっての・・・」


そのあとも続いていたけど、もうどうでもよかった。

また、これだ。



別に努力してない訳じゃない。

むしろ、昔から何もできなかったから人一倍、それ以上努力しただけ。


本当、人間ってアホだよね。

なんだかんだキレイ事いいながら、結局は表面上しかみないじゃん。



努力で成長した俺のことを、両親は天才とほめたたえて、周囲は憎んだ。

なんだよ、それ。




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