不機嫌なアルバトロス
「相変わらず、色々考えちゃうんだね。」


くくっと笑ったまま彼はそう言うと、パッと髪から手を放した。


「~~!」


声にならない声を出し、涙目になる自分がいる。


こんな状態じゃ、もう後ろを振り返ることができない。


悔しい悔しい悔しい。


こんな奴、知らない。


こんな奴、放っとこう。


こんな人、好きじゃない。


そう思いたいのに。


思えない。
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