不機嫌なアルバトロス
「よぉ、櫻田。お前、佐久間にフラれたんだって?」
廊下を歩いていると、5個前くらいの彼氏、飯山大介(いいやまだいすけ)がにやにや笑いながら隣を歩く。
ちなみに佐久間っていうのは、昨日の『もう会わない』メールの宏章のことだ。
部署は違えど、彼もここの社員だった。
何も言わずに黙っていると、飯山はくすっと笑い声を漏らし、
「今、俺もフリーだぜ。久々にどう?」
と耳元で囁いた。
今なら思う。
どうしてこの男と付き合ったのかって。
運命どころじゃない。
色々相性最悪だ。
いや一方的に、私が無理だ。
それに、私は一度別れた人間とやり直すことは絶対にない。
「残念ですけど…間に合ってます。」
ほほほ、と愛想笑いでごまかして、軽く速度を速め、自分のデスクに向かった。