不機嫌なアルバトロス
ただのお詫び、だってば。


私は自分に言い聞かせる。


これはたまたまのことで。


この、中堀サンて人は、世界上、稀に見る超がつく良い人で。


かなりの御人好しで。


そして、一人ランチができない寂しがりな男で(この人に声掛けられたら、会社でも道端でも、皆付いてっちゃうと思うけど)。


きっと、私が居なかったら、別の誰かを誘って行くわけで。


それよりも、ぶつかったのが私じゃなかったら。


恐らく、その人と食事に行ったことだろう。


よし。うん。


それでいい。


普通の線に戻った気がする。


恋愛モードにすぐ突入しちゃう私の悪い癖は脱した。


「ほら、近いでしょう?」


自分から桃色空気を追い出せたことに自己満足していると、前を歩く中堀さんが振り返った。
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