不機嫌なアルバトロス
だから、アンタと顔を合わせて話すのは嫌だったんだ。



俺は、陽の光が好きじゃないんだよ。



黒く染めても、陽に当たれば少し透けるこの髪が。




その下で光るこの髪が大嫌いだから。




陽の光の下には居たくないんだ。




俺は空みたいに青く生きてないんだよ。



生きれてないんだよ。



暗い闇に溶け込んでいたいんだ。


紛れて見えないように、息を潜めているほうが楽なんだよ。



…アンタの願ったようになんか、全然生きれてないんだよ。




だから、アンタの目を見て話すことが、ずっとできなかった。





だから、この名前が、俺は嫌いなんだよ。
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