不機嫌なアルバトロス

「ちなみに…ゴルフでもアルバトロスって言葉があるの、知ってた?」




し、知らなかった。



私は首をぶんぶんと横に振る。


それを横目で確認して、中堀さんはにやりと笑った。




「ホールインワンっていうのは知ってる?」




それは知ってる。


一回でボールが入ることね。


うんうんと頷くけど、中堀さんはもうまっすぐ前を見ている。




「アルバトロスはそれよりも出る確率が低いんだ。」




「え…」




どういうことだろう?




「アルバトロスは大方、かなり飛距離を伸ばさないと達成には難しいんだ。出る確率は100万回に1回って所かな。」




数字の話は難しい。



でも、早々見れるものではないということはなんとなく理解できる。





「アホウドリは、並外れた飛翔力を持っていて、羽ばたく事無く、何時間でも飛び続けることができるからそう名づけられたみたいだけど。」




だから?



益々首を傾げる私。




「…あんたはいっつも、俺の前で不機嫌で、馬鹿みたいに真っ直ぐだったんだよな。いつも思ってた。阿呆な奴だって。」





「何が言いたいんですかっ!!」





もう、怒った。


さっきから怒ってたけど完全に怒った。



完璧に頬を膨らませて、私は再度運転手を睨みつける。

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