不機嫌なアルバトロス


そんな思いが強くなったけれど、自分だって相手の外見しか見ていないんだから、お互い様で。



次から次へと片っ端に付き合っては別れて。



自分の運命の人と逢う為に、もうどれ位の人と付き合ったんだろう。



だけど、未だに逢えない。


どこで間違っちゃったんだろう。


いつの間にか、自分のバーゲンセールになってたみたい。


この会社でも、大体知らない人は居ない。


そんなこんなでついたあだ名が『アホウドリ』。



誰にでも簡単に捕まってしまう故に、乱獲されて、絶滅したと言われていた鳥。



私も絶滅しちゃうのかな。


このまま誰にも見向きもされなくなって。



死んだ後に、大事だったとか、気付いてもらえたら良いな。


私の場合、そんな価値もないのか。



でも、寂しいの。


一人は嫌なの。


誰でも良いから。


私だけを好きだと言って。





温くなった缶をポケットに入れると、私はまた来た道を戻る。



私の名前すら、無い場所に。


利用されるだけの女と言われる空間に。
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