Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~
「は・・・?」
なに、言って・・・
「たぶん・・・オレたちから離れなきゃいけないような、なにか事情があったのかもしれない」
「そんなこと」
あるわけねえだろ・・・
あいつはあの日、確かに言ったんだ・・・
オレではない、あいつを選ぶって・・・
オレの知らない、不敵な笑みを浮かべて去って行った。
何度も同じ番号に電話した。
何度も思いつく場所を探し回った。
それでもあいつはその日から二度と、オレの前から姿を現すことはなくて・・・