Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~



「亮・・・」


翔雨がソファーから立ち上がる。


「明日菜がどんな人間か・・・それはお前が一番よくわかってることだろ」


そんなこと言われても、今更信じられねえ・・・


オレはそうしてずっと、あいつを憎み続けてきたのだから・・・。


「・・・」


何も言わず翔雨に背中を向ける。


「亮!」


そんなオレの肩を翔雨はつかんだ。


「逃げてんじゃねえよ」


こんなに真剣にオレへと語りかけてくるこいつの姿を・・・久々に見た。


だが、オレはその手を冷たく払いのける。




「もう・・・いやなんだよ」







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