ブラコンVSシスコン
「……お前、何で逃げたんだよ?」
何の前触れもなく遼が核心をつく。
前を見続ける視界に遼の顔が入り込む。
ドクンドクン……。
破裂しそうなくらい大きく鳴る心臓。
「な、何の話?」
ドキドキする胸に気づかれないように少し顔を背ける。
「この間の告白。あれは……」
「しょ、しょーがないよ。振られるの、分かってたけど、怖かったんだもん」
とにかく、遼から何か言われるのが怖くて……。
遼が言葉を出す前に口を開く。
「遼に彼女がいるのは知ってる。でも……好きになっちゃって……だけど、このままじゃ、前に進めないから告白しようと思って……」
怒涛のように流れる言葉。