ブラコンVSシスコン



「……お前、何で逃げたんだよ?」



何の前触れもなく遼が核心をつく。


前を見続ける視界に遼の顔が入り込む。


ドクンドクン……。


破裂しそうなくらい大きく鳴る心臓。



「な、何の話?」



ドキドキする胸に気づかれないように少し顔を背ける。



「この間の告白。あれは……」


「しょ、しょーがないよ。振られるの、分かってたけど、怖かったんだもん」



とにかく、遼から何か言われるのが怖くて……。


遼が言葉を出す前に口を開く。



「遼に彼女がいるのは知ってる。でも……好きになっちゃって……だけど、このままじゃ、前に進めないから告白しようと思って……」



怒涛のように流れる言葉。








< 250 / 270 >

この作品をシェア

pagetop