天の川のほとりで
 書類に目を通したまま話しかけてくる颯に、七海は深くため息をついて謝る。



「すみません」



「家内さんに謝られてもね。悪いの通だろうから、僕は真面目にあの人の話は聞いちゃいないよ」



「……何か手伝いますか?」



「大丈夫。もう終わるから」



 にっこりする颯に、七海の心は再び癒やしに包まれる。

 やっぱりこの笑顔はたまらないと七海は思う。

 彼女がいるなら、彼女が羨ましいくらいだ。


(付き合ってる人がいない訳ないよなぁ)


 別に好きじゃないからいてもいい。

 ただこの空間は、誰にも渡したくはないし手放したくない七海のものだ。


(あれ、それはまるでストーカーではないか)
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