届かぬ声を、君に。



「ねぇ、昨日何で公園で倒れてたの?」


私は思いきって聞いてみる。



でも、彼は何も言わない。


というか、私の方を見ようともしないし。


シカトかな?


私がちょんちょん、と肩をつつくと、彼は驚いてこっちを見た。



「昨日、何で倒れてたの?」



もう一度そう聞くと、彼は困ったように俯いた。



「ねぇ、なんで?」



何度聞いても返事は返ってこない。



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