雨音で奏でて…二人きりの世界
そして…やっと拓真と逢える

年末がやってきた。

芽里は仕事納めの30日の忘年会を

早めにあがって…

初めてのお節づくり!

輝子さんやお母さんに

教えてもらいながら

指先にバンドエイド…

手の甲や手首に小さな火傷…

田作りの油がはね、栗きんとんでも…

干し柿と大根の酢の物も

エビのうま煮、黒豆、お煮しめと

小さなお鍋でコトコト煮込み

拓真の大好きな煮豚も

少し焦げ気味のブリの煮付け

輝子さんから頂いた重箱三段に

ぎゆっと詰め込んで…

大晦日の夜を迎えた

拓真から夕方電話がきて…

11時過ぎに帰ると告げられていた

母屋からお餅もお裾分けしてもらい

お正月を待つばかり!

芽里は心臓が鳴り響くほど緊張して

喉がカラカラで…

付き合い始めた頃よりも

拓真を大好きで恥ずかしくて

もうソワソワしっぱなしだった

11時になる前にインターホンが

拓真の帰りを知らせてくれる

玄関を開けると同時に

拓真の腕がぎゆっと芽里を抱きしめた

「ただいま…芽里。
やっと本物だ…」

「おっ、おかえり…なさい拓真ぁ〜」

待ちに待っていた拓真に対する

溢れる想いで

芽里は少しの間離れられなかった…

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