いろはにほへと
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私の家は、閑静な住宅街の一角にある。
決して大きくはないし、何の変哲もない分譲の戸建てだったが、家族三人で暮らすにはちょうど良いし、何より気に入っていた。
「ここが、ひなのの家かぁ!」
今。その前に、トモハルが立っている。
私はかなりの違和感を感じながら、トモハルを見つめ。
変な緊張を抑える為、小さく深呼吸をしてから、インターホンを押した。
《―はい》
直ぐに母の声が聞こえ。
「あ、私です…」
私も帰ってきたことを告げる。
《ひなの!?無事に帰ってこれたのね!?心配してたのよ、一体何があったのよ、もう!兎に角中に入りなさい!》
鍵開いてるから、と母は付け足したが、私がドアを開ける前に出迎えそうな勢いだった。
案の定、ドタバタと足音が響いて。
「ひなのっ!!!!」
バーン、と大きく開いたドアの奥から、母が泣きそうな顔をして私の名前を呼んだ。