電波ジャック~ハロー・ラバー~
セコセコと小さな一戸建てが立ち並ぶ住宅街の一角に、俺の家がある。
(あ、姉ちゃんのスクーター。帰ってるなんて珍しいなぁ……)
いつもはバイトやサークルで、8時を回らないと帰ってこない。
俺はかごから引きずりだした米やその他を抱えて玄関をくぐった。
「ただいま~……」
――― ガチャ
「ボクの心は強化ガラスなんだ」
――― ドサッ
デジャブなセリフに、体が反応した。
ビクッと肩がすくむ。
手が緩んで、荷物が落ちた。
「………ね、姉ちゃん?」
玄関をくぐって一番に見たのは、真剣な顔で姿見の前に立ち、どっかの誰かさんと同じ台詞を吐いた姉だった。
「お、お帰り。早かったじゃん」
呆然と立ち尽くす俺に、姉はニヤリ―――いや、にんまり笑った。
そう。
俺が耳にした言葉を、姉は誰が発した電波か、知っているんだから。