電波ジャック~ハロー・ラバー~
棚の一番上から見ていく。

一段目。
(…無い)

二段目。


(無いな……)

三段目。



(あ、ラスト一個だ)

運が良かった。ラッキーだ。

日頃の行いを見てくれていたのだと0,5秒で神様に感謝して、俺はチョコに手を伸ばした。


「姉貴のチョコ―――」
「あ」


カツンッ

伸ばした俺の手は、箱じゃないものに触れた。

「あ、すいません」

俺は手を引っ込める。
隣の彼女は、俺が掴もうとしたチョコを取った。

「あなたもこれが欲しかったの?」
「あ、まぁ……」

アレ……?
何だかすげぇ違和感が……。

「そう」

短く彼女は答えると、そのチョコを俺のかごに入れた。

「あ……あの」
「いいの。どうしても欲しかった訳じゃないから。必要なんでしょ?」
「ま、まぁ……。けど――」
「私はコンビニで買うから」

彼女は出口へ踵を返す。

「あ、あの。また会えますか?」

彼女の足が止まり、驚いたように目を見開いて振り返る。

(やべ……ナンパと思われたかな)

俺は、自然と目が細くなる。

「チョコ、譲って貰ったから……お礼したくて……」

真意を話すと、彼女も微笑んでくれた。

「じゃあ、いつかね」

俄かに弾んでいるような声は、俺の心も温めた。
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