冷たい手
「電話… 雨の中でも壊れなかった。良いことだ。」

ミカは一人感心する。

二回、三回……
何度鳴らしても出る気配が無い。
ミカは電話を切り、メロンパンを一口かじった。

水を一口飲むと、水よりも牛乳がよかったな。なんて、贅沢な事を考えていた。

半分ほどメロンパンを食べたミカ。
メロンパンをじっと見つめる。

「…おはようございます。メロンパンさん。」

メロンパン相手に、昨日の彼へあいさつの練習だった。
「昨日はありがとうございました。とても助かりました。」

沈黙

「えっと、どうしよ、なんて言おう?」

ミカは真剣に悩む。メロンパンを睨みつけている。

と、そのとき。車のドアがいきなり開いた。
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