現実は小説よりきなり
「嵐ちゃんに言われてた通りに纏めてみたんだけど、どうかな?」
「あ...はい。こんな感じで良いと思います」
「良かった。じゃあ、今回の出版作品はこれを共に進めていくね」
「はい。お願いします」
「嵐ちゃんの作品は出す度に人気が高くて好評だから助かるよ」
「いえ、そんな...」
フフフと笑う木下嵐の声は嬉しそうだ。
つうか、出版?作品?なんだそりゃ?
話を聞けば聞くほど訳が分かんなくなる。
「あ、今連載してるお話も良いね。読者層が広いししおり率も凄いよ。無論俺も読ませて貰ってる。あのライオンヘヤーの主人公良いね。モデルになる子が居るのかな?」
「えっと...実は...」
と木下嵐が話始めた途端、側に座った女達がキャッキャッと騒ぎ出した。
チッ...うぜぇ、聞こえねぇじゃねぇかよ。
「彼氏のぉ誕生日にぃ、初めてをプレゼントするぅ」
「やっだぁ、律子ったら脱処女じゃね?」
「彼氏はぁ、経験豊富みたいなんだけどぉ。不安でぇ」
「きゃ、任せちゃえば良いのよ。初めてなんだもん。彼氏にリードしてもらいなよ」
隣の女達がかなりうぜぇ。
チラッと視線を向けたけど、化粧お化けの不細工が4人座ってた。
お前の初体験の話なんてどうでも良いんだよ、マジで。
その辺の野良犬にでもくれてやりゃ良いだろうがよ。
俺の視線を感じてこちらを見てきた女達を思いきり睨み付ける。
赤くなった後、直ぐに青ざめた女達。
忙しいな...おい!
まぁ、静かになったから良いけどよ。
「嵐ちゃん、このまま病院行くなら送ってくよ。俺も車で来てるし」
後ろから聞こえてきた声。
チッ..話が変わってやがる。
隣の糞女のせいで聞きそびれたじゃねぇかよ。
「あ...大丈夫です。すぐそこの駅前にある整形外科に行くんで」
木下嵐の返事に、
「そっかぁ。じゃ歩いてついてく。心配だし」
と食い下がる男。
うぜぇなこいつ、下心あんじゃん。
「いえいえ、ほんと直ぐそこなんで大丈夫ですよ、樋口さん」
苦笑いで断ってるであろう木下嵐。
「そう?本当に..大丈夫?」
残念そうな声出してんじゃねぇぞ。
木下嵐に樋口と呼ばれた男は絶対木下嵐に気があるな。
これ、男の勘。
モヤモヤしたのもが沸いてくる。
なんだか、今日の俺は変だ。