現実は小説よりきなり
 





「あ、少し前からです。別にこんなのどうってことないんですけど、片付けるの面倒だなぁって考えてて」

ダメージ受けてるって思われるのも癪だし、毅然とした態度で先生に伝える。

意地悪する人って、相手が弱ってると分かると面白がってエスカレートするしね。

そんなことになったら面倒だし。


「...そうか。悪かったな。早く気付いてやれなくて」

そんなに落ち込まれても困るけど...。


「あ、大丈夫です。ダメージとか無いですから」

ザワザワする教室、先生から少し視線を逸らした時に視界に入った派手なギャル風の三人。

憎らしげに顔を歪めてこちらを見ていた。


あの子達か...犯人は。

一人は悔しげに下唇を噛み、もう一人は親指の爪をガシガシ噛んでて、最後の一人は腕組みしてこちらを睨んでる。


ま、先生に言うなんて思ってなかったんだろうね。



「そうか。他に何かされてないか?」

「あ...靴を隠されたりとか靴箱に手紙とかですかね。子供だましみたいな物ばかりですよ」

そう言って眼鏡をクイッと押し上げた。

この際だし、色々報告しておこう。

琉希也君や美樹に知られちゃってるし、今さら隠す必要は何処にもない。


「そうか。この問題は職員会議にかけて調査するからな。この手紙類はこちらで預かる。指紋とか取れるかも知れないしな。犯人は必ず見つけ出すからな」

と手紙を集め出した先生に青ざめ始める三人。

ここまでの問題になるとは思わなかったんだろうね。


ってか、私も驚いてるけど。



「...あ、いや、先生、別にそこまでは...」

良いですよ、と言おうとした私に、


「いや、こう言うのは放置すると悪化するんだ。だから、先生は見逃せない」

固く拳を握り締めた先生に、しまったと思った。


この先生は熱血漢だったのを忘れてた。


三人はますます顔を青ざめさせる。


ほんとさ、失敗した。



ってか、あの三人には話を聞かなくちゃね。

私とは今まで接点も無かったし、嫌がらせにされんのは腑に落ちないんだよね。


だから、あんまり追い詰めちゃ困るなぁ。








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