現実は小説よりきなり
「うるせぇよ。嵐がビックリするからデカい声出すんじゃねぇよ」
なっ?と私の方を見下ろした琉希也。
「...あ、まぁ」
確かに驚きはしたけど。
「えっ?マジで連れてきたの?」
違う声が聞こえた。
「ああ。嵐入るぞ」
もう一人の人に返事した琉希也君が私の手を引いて部屋へと入る。
「.....」
めっちゃ見られてますけど。
部屋の中にいた人達が珍しいモノを見るかの様に凝視してくる。
いやいや、珍獣じゃないのでそんなに見られても。
「見てんな」
琉希也君は不機嫌に言う部屋の真ん中へと歩いていく。
そして、部屋の中央に置かれソファーセットまで来ると私の手を引いてそこに座った。
社長室の様な応接セットがトドーンと置かれた部屋は、学校なのかと迷うほどの内装だ。
大きな長方形のテーブルを囲むように大きな皮張りの黒いソファーが4つ置かれていて。
そこには人がそれぞれ座ってる。
部屋の隅には冷蔵庫らしきモノと大型テレビ。
小説で言う所の幹部室的な感じ。
こんなことって有るんだねぇ。
ほほ~!凄いな。
ここで生活出来そうだし。
シャワーとかまであったりしてね...フフフ。
他人事の様に部屋を興味津々で見渡していた私はすっかり外の人の存在を頭の隅へと追いやってた。
こんな時、小説家としての悲しいサガが出る。
「...ちゃん、嵐ちゃん!」
どうかした?対面のソファーに座った美樹が私に声をかけていた。
はっ...しまった、意識飛ばしてた。
「あ...ううん、何でもない」
慌てて首を左右に振る。
そして、思い出す外この部屋に居る人達の存在を。
あらら、不思議そうに見られてる。
ヤバい緊張してきた。
「こんにちは、戸波日向です。宜しくね」
美樹の隣に座ってたアッシュブラウンの髪をした可愛らしい男の子が挨拶してくれた。
「あ、木下嵐です」
緊張したまま挨拶を返す。
「私は一条霞よ」
左側のソファーに座った長い黒髪のギャルが綺麗に微笑んだ。
「あ、嵐です」
一先ず、自己紹介するしかない。
「あ、次ぎは俺俺、守口遊佐。嵐ちゃん宜しくね」
ノリがチャラい...。
黒髪に青メッシュの彼は右側のソファーに座ってる。
その隣でこちらを見てるのは、
「私はぁ、篠原聖子で~すぅ」
金髪に近い茶髪のギャル。
顔は笑ってるのに、彼女の瞳は私が憎いと言ってる。
怖いんですけど。