現実は小説よりきなり







「な~んだぁ、そっかぁ」

あからさまに残念な顔されてもさ。


「ま、美樹、これからは仲良くできるんだから言いしゃん」

ね?とウインクした日向君に、


「ま、そうよね」

とヤッパリ立ち直りの早いな美樹だった。



「ま、話を戻すけど」

戻すのね霞。


「あ、うん」

取り合えず頷いておく。


「聖子を除いた私達は小学部からの仲間なのよ。ほら、ここって小学校と中学校が隣接されてるでしょ?」

ああ、エスカレーターで高校まで来れるのね。


「そうだったのね。知らなかった」

と言えば、

「嵐ってば、もう二年生なのになにも知らないのね」

フフフと笑われた。


「あんまり興味ないことは知らないんだよね」

「嵐ちゃんらしい」

と美樹を含めた全員に笑われた。



「ま、松泉って高校の外部入学を積極的に受け入れるから初等部からのエスカレートだって気付かれにくいわよね」

と腕組みして納得する霞。


「あ~確かにそれは言えてるけど。初等部も中等部も隣接されてるのに気付かないって。どれだけ興味ないだよ、嵐」

と遊佐君がお腹を抱えて笑う。


「んもう、その話はもういいし」

笑いすぎなんだからね。

ま、気付かなかった私も悪いけど。



「ウフフ、そうね。話を進めましょう。で、高校で聖子が出てきたの。彼女、初等部から至って言うけど、あんな子見たことないのよね」

と霞。


「だよなぁ。いくら生徒数が多くてもあんな派手な女を知らなかったとかねぇよな」

首を傾けて唸る遊佐君。


「ま、あんな奴に居ても居なくても良いんだけどね?あいつが琉希也の周りに居るようになってから可笑しな事が増えて来たんだよね」

日向君が難しい顔をする。

だけど、可愛さが隠せてない。

その可愛さが反則だよ。


「可笑しな事?」

と聞いた私に、


「そっ。琉希也のセフレが襲われたり急に居なくなったりね?」

美樹が神妙な面持ちになる。


「.....」

それってさ...聖子さんの仕業ってこと?


「俺達は聖子が何かやってると思ってる」

ハッキリ言いきった遊佐君に目を見開く。


「彼女が?」

「そう。聖子が。だからね、今回の嵐の事もあいつが関わってる気がするのよね」

キラリと瞳を光らせた霞。



「琉希也君は今の話を知ってるの?」

側に居る聖子さんがそんなことやってるだなんて、琉希也君も嫌だと思うし。




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