【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん


このまま動けないことも可哀想で


「またね」


バイバイと手を振って私と隼は中へと入った。


リードをとった後、三浦さんが存分に遊んであげるんだと思う。



部屋へ戻りながら突然吹き出した私に


何事かと顔を見つめる隼。


「初めてボスたちのとこに行った日を思い出した」


三浦さんにドーベルマンって聞いてちょっと怖かったことも


すごい勢いで舐められたことも


初めて後にひっくり返った日のことも思い出して


「ドア開けた瞬間焦った」


隼の言葉でまた吹き出してしまう。



この家で増えていく思い出が幸せを語るから


写真という形で残っていなくても色あせることはないんだと思う。










遊びにくるたびに春香さんのお腹はどんどん大きくなり


私のお腹もどんどん大きくなる。


「結衣…」


「何も言ってくれるな」


「いやだ。言いたい」


「くーーーーっ」


「ちょーーーーーーアンバランス」


あはははは


六兵衛は決して大きいわけではない。


標準サイズの子だ。


なのに私がちょっとばかりちっさいから


お腹が大きく見える。


「ねぇ…ろくちゃんの方が結衣より大きいとかないよね?」


「あるわけないでしょ」


「いやわかんないよ」


「ないから」


春香さんが結衣ってこんな感じといって


紙に絵を描き始めた。


何を描くのかとじーっとみていたら


でんでん太鼓に手足がついてる。


ひどすぎて笑いしか出ない。





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