【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん


「は…隼…」


「どうした」


「じ…陣痛が短か過ぎるんだけど…」


「先生」


「あははは。楽でいいじゃないか」


「そ…そうなんですか。ギリギリだからこれから大変?」


先生はもう身体を震わせて笑っていて


「ギリギリじゃないよ。大丈夫だ」


「ほ…ほんと?」


「あぁ。ほんとだよ」


それを聞いてあたしは何カ月ぶりにホッとしただろうか。



助産婦さんが


「はいじゃあ息んで」


横にあるレバーを掴み一生懸命力を入れる。


「ハァハァハァ…イタッ…アイタタタッ」


「結衣、大丈夫か」


「だ…ダ・…だ…・だ…」


大丈夫とは言いたくなかった。


だって全然大丈夫じゃない。


大丈夫って言ってたじゃないかなんて言われたくないって


なぜかこの時そう思った。


ラマーズ法の呼吸を助産婦さんが言ってくれて


それに合わせて息をする。


「イタッ…クーーーッ」





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