【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん


「普通に友だちと遊べねぇんだよ」


これは、隼の心に残っている淋しさなんだろう。


菫が物ごころついた時に自分の家族が極道だと知ったら


どんなに傷つくだろうと父親になった隼は悩んでいた。



私もそれは心配したこともある。


だけど私にとってこの家は、普通の家族だ。


もちろん普通じゃない事もいっぱいあるけれど普通より幸せじゃないかと思うこともたくさんある。



確かにパパは極道だって教える事が出来るのかっていうのは微妙だ。


薄々、本人が感じていくのかもしれない。


だけどその時に菫が感じるその環境が幸せだと思うなら


真っ直ぐに育ってくれると信じている。




「なのに結衣は、極道を知りたがる。毎日毎日、汚ねぇ世界を知りたがって俺に聞こうとすんだよ。結衣のその綺麗な心に極道の醜い部分は少しも入れたくねぇ。結衣の口から語って欲しくねぇんだ。そして極道を語った口で穢れのない菫に語っちゃいけねぇんだ」



「隼、言っちゃ悪いけど過保護だね」


私のその言葉に驚いたような顔を見せた。



少なからず私だって隼と修羅場をくぐってきた。


自分がしてきた怖い思いを菫にはさせないようにと思っている。


極道の姐として腹括れといったのは隼だ。


それなのに菫が生まれたら極道に染まるなとは矛盾しすぎている。





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