【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん
「舐めたらあかんぜよ」
パンッと隼の胸を叩く。
「藤堂結衣を舐めたらあかんぜよ」
「あぁ」
「法の届かない汚いところを仁義を持って制するのが極道なんでしょ。私は菫に聞かれたらそう教えるわ。菫も見てたら私と同じように理解する。私はこの子をそうやって育てる」
隼は何も言わなかった。
人の親になるっていろいろな葛藤が起きる。
私だって隼の為なら自分の命をいつでも投げだせると思っていた。
隼を助ける為なら少しも惜しいと思わなかった。
だけど菫が生まれたらそれは少し違う。
隼の為という気持ちが薄れたわけでも惜しくなったわけでもない。
この子を守らなければならないという気持ちが強くなったからだ。
「私は、極道になろうと思ってるわけじゃない。好きになった隼が極道の若頭だったっていうだけ」
こう言いきれる自分がやっぱり染まっているのかなとも思うけれど
好きになってしまったものは仕方ない。
結婚して子どもまで生まれて今さら何を言うんだと思う。