【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん


「パパ…パパは誰が一番スキ?」


隼は菫からのこの質問が一番苦手だと私に助けを求める。


「菫だよ」


私の言葉に嬉しそうな顔の菫。


「ママ、ママは誰が一番スキ?」


私が答えようとすると隼が


「菫だよ」


私の代わりに答えて笑う。



どうやら私の一番を宣言されるのは嫌なようで、


そんな隼がたまらなく可愛いと思ってしまう。



「パパ、ママはパパが大好きなんだって」


こそこそと耳元で話かけるらしい。


それが何ともくすぐったいと隼は思い出し笑いをしながら


また耳打ちされたと話してくれる。



「パパはもっともっとママがスキだよ」


同じように耳元に話かけるとむずがるように身体を捩じらせながら


「ママに言っちゃおう」


嬉しそうに和室を飛び出していくらしい。




だけど、菫はいつも私のところまで到着しない。


途中で、誰かに会って遊び始めてしまうのも恒例。






< 278 / 282 >

この作品をシェア

pagetop