心を全部奪って
代償
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「元気だった?」


「……うん」


「ちゃんと食べてる?」


「食べてるよ」


「そっか……」


会社帰りのOLさんでいっぱいの可愛い内装のカフェ。


チャイの入ったグラスを、意味もなくストローでカラカラとかき回してみる。


冷房が効き過ぎの店内。


アイスじゃなくて、ホットにすれば良かったと後悔した。


東京に戻ってすぐ、意外な人から連絡があった。


もう二度と会えないと思っていたのに。


こうしてまた会えるなんて、


なんだか胸がいっぱいだった。


「なんか、ごめんね」


「え?」


「あのメールが一斉送信された日。


あんな態度とっちゃったりして…」


美帆ちゃんが申し訳なさそうに眉を曲げる。


その顔を見ながら、ううんと首を横に振った。


「仕方ないって思ってる。

軽蔑されて当然のことをしてたんだから…」


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