心を全部奪って
連れ出す男
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枕元で、軽快な音楽が聴こえる。


これは着信音?


それともアラーム?


日曜の朝はゆっくり眠りたいから、


目覚ましはセットしていないはず。


ってことは着信音か。


「えー…、誰ー?」


寝ぼけ眼のまま、スマホをタップする。


「はい…」


一体、今何時なのかな?


『おい』


ん?


誰…?


やけに低い声だけど。


『お前、まだ寝てたのか?』


「あのー、

どちらさまでしょう?」


きっと間違い電話よ。


そうなんだわ。


『お前、ふざけるな!

日曜の朝に電話するって言っただろうが!』


突然発せられた怒鳴り声に、ガバッと跳ね起きた。


「き、霧島さん?」


『おうよ。

俺との約束を忘れるとは、いい度胸だな。

お前、自分の立場が全然わかってないようだな』


「ご、ごごごめんなさい。


っていうか、



何の用事?」

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