優しい世界の愛し方
そんなことを思った。

その時。

「だめだ及川! 早まるなーーーー!」

教室いっぱいに絶叫が聞こえた。


え、と思った時には、

私の体は何者かにつかまれ、

後ろにひっぱられた。


そこからはほんとにスローモーションのようだった。


手が窓から離れる。夕日が遠ざかる。

引っ張られる振り幅が大きいことに気づいて、

ああ、私はずいぶんと窓から身を乗り出していたんだなあと

のんきに思った。
< 11 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop