優しい世界の愛し方

「何よそれ......」

まあ、彼には彼なりの話せない事情があるんだろう。

私がいやがらせされてることを話せないのと同じで。

「いいわ。じゃあ聞かないでおく。その代わり」

「ん？」

「私のことも、もう何も聞かないで」

プライドが邪魔してるっていうのもあるけ
れど、話すことで彼をまきこんでしまうかもしれない。

それは絶対に避けたい。

もう私のせいで、誰かが傷つくのは見たくない。