28才の初恋
「自分の仕事をやって、課のみんなの面倒までキッチリと見て……俺の仕事もやりやすいようにしてくれてる。他の人には出来ないですよ!」

 大樹クンが少し熱を帯びた口調で語る。
 そんな……そんな風に思ってくれていたんだ!
 嬉しさに、涙はいつの間にか止まっていた。

「あ、ありがとう……」

 大樹クンの言葉に、心の底から感謝の言葉を言えた。
 ツンデレ人格も出なかったよ!!

 この好い雰囲気は……もしかして。
 そう思って、そっと瞳を閉じてみた。

 酔った二人に、泣いた女。
 そして、それを慰めた男……。
 場面は……揃っていると思うんだけど?
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