28才の初恋
「か、課長……!?」

 抱き締められて、驚きを露わにしている大樹クン。
 それに構わずに抱き締め続ける私。
 このままずっと抱き締めて……連れて帰ろうと思ったのだが、さすがにそれは我慢する。

「本当にありがと……!」

 耳打ちするように、大樹クンにお礼を言って、抱き締めた腕をそっとほどいた。

「あ、は……はい」

 大樹クンはまだ唖然としながら私の顔を見ている。
 いきなりこんな行動を取ったのだから……この反応は当たり前かな?
 少しやりすぎたかも知れない。
< 106 / 518 >

この作品をシェア

pagetop