28才の初恋

6-3

 私の予想では、いきなり豪雨が降り出したり、雹が降って来るはず……だったのだが。
 そんな天変地異も発生せずに、すんなりと屋内型のビアガーデンに到着してしまった。

……あれ?あれれ?

 あまりにコトが上手く運んで、かなり動揺してしまっている。
 絶対に何かミスをしでかしている、と強迫観念のようなものが取り憑いていて――。

 サイフを忘れているんじゃないか?と自分を疑ってカバンの中を確認してみたが、ちゃんと中に入っているし。

 取引先から携帯に連絡が入っているのを見逃しているんじゃないか?と携帯を確認してみたが……どこからも連絡は入ってきていない。

――何が?一体何が……オチとして待ち受けているのだろうか?

 いや、それとも……オチなんてものは存在せずに、神様が不器用な私にチャンスをくれたのだろうか?

――ありがとう!神様!私……私、頑張る!!
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